ビカクシダの葉の裏にできる、茶色い粉のような胞子。
この小さな胞子から、新しいビカクシダを育てることができます。
胞子をまくと、やがてハート型の前葉体が現れ、そこから小さなビカクシダが生まれます。
この記事では、胞子採取から発芽、子株の成長、そして板付けまで、ビカクシダ胞子培養の流れをまとめました。
これから胞子培養に挑戦してみたい方の参考になれば嬉しいです。
胞子培養にかかる期間
ビカクシダの胞子培養は、板付けまでにある程度時間がかかります。
大まかな目安はつぎのとおりです。
- 発芽 2週間~1か月
- 前葉体 1か月~3か月
- 胞子体 3か月~6か月
- 板付け 1年前後
私が初めて胞子培養をしたときは、紆余曲折もあり板付けまで2年くらいはかかりました。
焦らずに気長に取り組んで下さい。またそれぞれの項目の詳しいやり方についての記事もありますので、ポイントをおさえて取り組んでいただければスムーズに板付けまで行けると思います。

胞子培養に必要な道具
胞子培養に必要な道具を紹介します。100均でもある程度揃えられます。
- タッパー(透明な容器)
- 土(ジフィーセブン・ピートバンなど)
- 霧吹き
- スプーン(胞子採取や土をならすのに使います)
- 茶漉し(胞子からゴミなどを取り除くのに使います)
- LEDライト(できればあったほうがいいです)

ビカクシダ胞子培養の流れ
ビカクシダの胞子培養は次のような流れで進みます。
1 胞子を入手する
2 胞子をまく
3 発芽させる
4 前葉体を育てる
5 胞子体を発生させる
6 苗を植え替える
7 板付けする
それぞれの工程を順番に解説します。
胞子を入手する
ビカクシダは葉の裏に胞子を作ります。そして胞子が成熟すると茶色くなり、粉のような状態になります。
スプーンなどで葉を軽くひっかくと胞子が落ちるので、それを白い紙の上で採取します。
胞子は非常に細かいため、風のない場所で作業すると扱いやすくなります。
自分で採取できないときは、フリマサイトなどでもいろんな品種の胞子を手に入れることができます。
私自身も初めての胞子培養はフリマサイトで購入しました。


胞子をまく(播種)
採取した胞子は湿った培地の上にまきます。
培地としてよく使われるのは
・ジフィーセブン
・ピートモス
・ミズゴケ
などです。私はいつもジフィーセブンを使ってます。
ジフィーセブンをタッパーなどに入れて熱湯をかけて消毒、吸水させます。
培地が常温になったら胞子をできるだけ均一に薄くまきます。
あとは透明な蓋かラップをかけて高湿度で管理します。


発芽までの管理
胞子をまいたあとは高湿度の環境で管理します。
管理のポイントは
・高湿度(ほぼ100%)
・光(明るい場所、LEDライト)
・温度(20℃〜28℃)
です。
発芽までは数週間から数ヶ月かかることがあります。
焦らず様子を見ながら管理しましょう。
発芽すると培地が緑色になってきます。


前葉体の成長
そこからさらに時間が経つと、ハート型の前葉体が現れます。
前葉体はビカクシダの成長の初期段階で、このあと受精が起こり胞子体が発生します。
この段階では乾燥させないように、また受精を促すために時々霧吹きをしながら管理します。

このくらいになったらそのままでも構いませんが、スペーシング(1〜2㎠ごとに切り離し、植え替えて株間を広げる作業)すると成長が早くなります。

胞子体の発生
前葉体が成長して受精すると、小さな胞子体が出てきます。

密集している場合は、さらに胞子体ごと(無理に一つづつにしなくても良い)にスペーシングします。

子株が成長して窮屈になってきたらスペーシングをして、一株ごとにしていきます。


子株の鉢上げ
子株がある程度成長したら鉢上げを行います。
用土にはミズゴケなどがよく使われます。


板付けのタイミング
苗がある程度大きくなり、葉が数枚出てきたら板付けします。
まだ小さすぎる株は上下が分かりにくいため、ある程度成長するまで待った方が板付けがしやすいです。写真のリドレイは板付けのタイミングです。

ビカクシダの板付け方法
板付けには
・コルク板
・合板
・杉板
などがよく使われます。
ミズゴケを敷き、その上に苗を置いてテグスやミシン糸で固定します。


胞子培養で失敗しやすいポイント
胞子培養で失敗しやすい原因としては
・カビの発生
・乾燥
・光不足
・温度管理
・密集しすぎ
などがあります。
子株になるまでは清潔な環境を保ち、全期間において温度と湿度と光を意識することが成功のポイントです。
ビカクシダの胞子培養の魅力
胞子培養の魅力は、小さな胞子から立派なビカクシダへと成長していく過程を観察できることです。
同じ親株から採れた胞子でも、形や成長の仕方に個体差がでるため育てるの楽しみがあります。
まとめ
ビカクシダの胞子培養は時間はかかりますが、成長の過程を楽しめる魅力的な増やし方です。
胞子から板付けまで育てることで、より愛着のある株になります。
この記事が胞子培養に挑戦するきっかけになれば嬉しいです。


