ビカクシダの胞子培養では、前葉体の成長のあとに小さな胞子体が現れます。
胞子体が出てくると嬉しい反面、密集や乾燥などで成長が止まってしまうこともあります。
この記事では、ビカクシダ胞子体の育て方と管理方法について解説します。

ビカクシダの胞子体とは
前葉体が成長すると、やがて受精が起こり小さな胞子体が現れます。
胞子体とは、いわゆるビカクシダの子株のことです。
最初はとても小さく、細い葉が1枚出てくるところから始まります。

この段階になると、可愛らしい葉が少しずつ見えてきます。
胞子体が現れるまでの期間
胞子体が出るまでの期間は環境によって変わります。
目安としては次の通りです。
播種 0ヶ月
発芽 2〜4週間
前葉体 1〜3ヶ月
胞子体 3〜6ヶ月
前葉体が十分に成長すると、小さな胞子体が次々に現れます。

胞子体が出たあとの管理
胞子体が出たあとも、基本的な管理方法は前葉体のときと同じです。
ポイントは次の3つです。
温度
湿度
光
これらを安定させることで、胞子体は順調に成長します。
温度
胞子体の成長には暖かい環境が適しています。
目安
20〜28℃
温度が低すぎたり高すぎると成長がかなりゆっくりになります。
温湿度計(Amazon)やヒーターマット(Amazon)などを使用して、環境を整えます。
湿度
この段階でも乾燥は大敵です。
容器のフタやラップを使って、高湿度を保ちながら管理します。
カビが出た場合にはベンレート水和剤(Amazon)をスプレーしてカビを早めに退治しましょう。
光
明るい環境で管理すると、胞子体の成長が良くなります。
明るい室内や植物用LEDライト(Amazon)を使用します。
直射日光は強すぎるため避けます。

密集してきたときの対応
胞子培養では、多くの胞子体が同時に発生することがあります。
そのため、成長すると次のような状態になることがあります。
株同士が重なる
窮屈になる

この状態になった場合は、株間を広げる作業を行います。
胞子体のスペーシング
胞子体が密集してきた場合は、前葉体のときと同じようにスペーシングを行います。
方法は簡単です。
1 胞子体の塊をピンセットで持ち上げる
抜いた胞子体は作業中、水を入れた容器に入れておくと乾燥を防ぎ、絡まった根がほつれて1株ずつ植えやすくなります。

2 新しい培地さし芽・種まき用土(Amazon)に少し間隔をあけて植え付ける

この作業をすることで、その後の成長が良くなります。
【実験】小さすぎて植え付けられない株を「置くだけ」で育てた結果
スペーシングの際、小さすぎてピンセットで1株ずつ植え付けるのが大変な株って大量に出ますよね。「捨てるのはもったいないけど、どうしよう…」と悩んだ結果、ダメ元である実験をしてみました。結論から言うと、捨てずに「置くだけ」でしっかり育ちました!
小さすぎる株が余ってしまった経緯
水を張った容器に株を浮かべ、くっついている株同士を優しくほぐしながら通常のスペーシング作業を行いますが、作業を進めるうちに通常のサイズとしては植え付けられないほど「極小の株」が大量に余ってしまいました。

そこで「容器内の湿度がしっかり保たれていれば、根が浮いている状態でも枯れないのでは?」と思いつきました。
やったことは「掬って、培地に広げるだけ」

- 実践した手順:
- 水に浮いている極小の株を、ピンセットなどでまとめて掬(すく)い取る。
- 新しい培地の上にただ適当にポンポンと置いて、まとまってる場合は広げる。
- (1株ずつ植え込むような面倒な作業は一切なし!)
しばらく密閉・観察を続けていたところ、浮いていたはずの株たちが自ら培地に向かって根を伸ばし始めました。

最終的には、ピンセットで植えた株と同じように自分の力でしっかり自立し、ぐんぐん成長をしました。


まとめ:極小の株も捨てないで!培地を有効活用しよう
小さすぎる株も、捨ててしまってはもったいない!手間に思える作業も、「ただ掬って培地に置いておくだけ」なら一瞬です。スペースに余裕があるなら、ぜひ皆さんも捨てずに「置くだけレスキュー」を試してみてください。無駄なくたくさんの胞子体を育てることができますよ!

胞子体の成長
スペーシングによって胞子体が大きくなってきたら、だんだんと子株らしくなってきます。
子株は少しずつ大きくなり葉の枚数も増えていきますので、焦らずに見守ってください。

まとめ
ビカクシダの胞子培養では、胞子体(子株)が現れるといよいよビカクシダらしい姿になってきます。
子株の管理では
温度
湿度
光
を意識して環境を整えることが大切です。
また、密集してきた場合はスペーシングを数回行うことで、その後の成長を良くすることができます。
子株が十分に成長したら、次は鉢上げをしていきます。
今回の記事で紹介したアイテム
次の記事では、鉢上げの方法とタイミングについて紹介します。

