独特のシルバーの肌とどっしりとした樹形が魅力の「アデニウム・ソコトラナム(Adenium socotranum)」。今回は、その希少な種子を入手し、実生(種から育てる)にチャレンジした様子をリアルタイムな成長記録としてお届けします!
アデニウム・ソコトラナムの基本情報
学名: Adenium socotranum
科名 / 属名: キョウチクトウ科 / アデニウム属
原産地: イエメン・ソコトラ島(固有種)
特徴: 数あるアデニウム属の中で最も大型になる原種です。現地では数メートルに達するものもありますが、盆栽サイズでも主幹がどっしりと横に太り、バオバブの木のような神々しい姿を見せてくれます。
希少性と入手難度
原産地であるソコトラ島は世界自然遺産に登録されており、現在、野生株や現地採取の種子の持ち出しは厳しく規制されています。そのため、国内外のナーセリーで大切に維持されてきた純血血統の親株から採られた種子は非常に流通量が少ないようです。
栽培のポイント
他のアデニウム(オベスムやアラビカムなど)に比べて成長が極めて遅いらしいです。その分、じっくりと時間をかけて引き締まった格好良い株に仕立てる楽しみがあります。
今回は、そんな希少なソコトラナムの種子を入手し、実生にチャレンジした様子をリアルタイムな成長記録としてお届けします!
ソコトラナム実生・成長記録
2026年6月17日:種子の到着

アデニウム・ソコトラナムの種子が手元に届きました。種子は新鮮さが命ということで、さっそく発芽を促すため活力剤「メネデール」の希釈液に種子を浸けて、しっかりと水分を吸わせました。

6月18日:いざ播種(種まき)
約15時間じっくりと水分を吸わせた種子を、いよいよ用土へ。
鉢はスリットが入ったプラ鉢を使用し、下層には水はけと栄養を兼ね備えた実生用土を、その上の表面1cmほどにカビ予防として清潔な「種まき用土」を敷き詰めた層構造にしました。


種子は深く埋めず、用土の上に横向きにそっと配置。

仕上げに殺菌剤の「ベンレート」を優しくスプレーし、薄めの腰水(こしみず)セットに。

さらに湿度の高さをキープするため、上から透明な容器を被せてミニ温室状態にしました。

ここから適温(25℃〜30℃)で見守ります。
6月19日:早くも生命の息吹が!


なんと、種を蒔いてからわずか1日!早くも種子から白い根がピョコッと顔を出しました。アデニウムは、実生初心者向けらしいですが、期待以上のスピードでした。
6月20日:種子が浮き上がる
根が力強く土に向かって伸びていく勢いで、種子自体がグッと上に押し上げられて少し浮いてきました。

しっかりと土を掴もうと必死に生きているのを感じます。
6月21日:緑色の幹と、密閉の卒業
ぷっくりとした幹(塊根になる部分)が綺麗な緑色に変化してきました。

順調に動き出したので、カビや蒸れを防ぐために被せていた透明な容器を外し、外の空気に触れさせ始めます。
6月22日:殻むきの始まりと「奇妙な一株」
いよいよ種の殻を脱ぎ始める株が出てきました。

ここで面白い発見が!通常は2枚の双葉が開くはずですが、3株のうち1株だけ、なぜか双葉ではなく「1枚の葉(一葉)」で展開しそうな個体が。

実生ならではの突然変異の予感にワクワクします。
6月25日:祝!全員殻剥け完了
種まきから1週間。無事に3株ともきれいに殻が脱げ、葉をシャキッと力強く開いてくれました。

一葉の個体もユニークな姿で順調です。緑色のミニチュアアデニウムたちが並ぶ姿は最高に癒やされます。
7月5日:本葉がお目見え
双葉の中心から、小さな小さな「本葉」がツンと顔を出し始めました。

ここからさらにアデニウムらしくなってくれるのでしょうか。
7月11日:太陽の光を浴びて、屋外へ!
本葉が少しずつ大きく、しっかりとした質感になってきました。


アデニウムはとにかく太陽が大好き。ここまで来れば一安心ということで、満を持して太陽の直射日光がガンガン当たる特等席へと移動させました!
2026年7月19日
本葉がさらに大きくなりました。


ここまでのまとめとこれからの管理
アデニウム・ソコトラナムの実生前半戦は、3株とも脱落することなく大成功のロケットスタートを切ることができました!上層と下層を分けた用土構成も、今のところ根腐れやカビを起こさず大正解だったようです。
これから夏本番を迎えるにあたり、水切れさせないように腰水管理を続けていますが、そろそろ腰水を卒業して「乾いたらたっぷり水やり」を意識し、少しずつ薄めの液肥も取り入れて塊根を丸々と太らせていきたいと思います。


